生誕100年に見る人気作家の点と線
太宰治(左)と北九州市立松本清張記念館
過日、読売新聞に掲載されていた「太宰・清張をつなぐ点と線」という記事が目につき、興味を感じて書いてみた。
昭和も遠くなりの時代に入って来たが、その時代を代表する人気作家として太宰治と松本清張がいる。生まれは二人とも同年代だが、太宰の方はあの有名な入水心中事件で清張より44年前に亡くなっている。その二人が今年そろって生誕100周年を迎えるのだ。
二人の生い立ちも学歴も対照的で、太宰は大地主の家に生まれて東京帝国大学を除籍になり、清張は高等小学校を卒業してすぐ働き始めた。太宰の方は、代表作「人間失格」に記してあるように<自分には人間の生活というものが、見当つかないのです>と述べている。それに対して、清張は就職し始めには<生活のために、かねて夢と抱いていた文学を捨てた>と述べていた。しかし、後に朝日新聞西部本社の広告部に勤務してから、<小説も文学も私には一切無縁だった。会社で太宰治を語る者がいたが、私はこの情死で世間的に有名になった作家の作品を何一つ読んでいなかった。後になって太宰の小説で感心したのは「ヴィヨンの妻」と「津軽」であった>と書いているそうだ。
松本清張がデビューしたのは、太宰が死んでから2年後で懸賞に入選した「西郷札」という小説である。以後は国民作家としての道を歩み、「砂の器」「点と線」など全38点累計4337万部で絶大な人気を博した。それと同じく太宰も「人間失格」が新潮文庫で615万部、「斜陽」は356万部など全17点で累計2041万部の売れ行きだそうである。(昨年11月末現在)
1月11日から北九州市にある松本清張記念館では、「1909年生まれの作家たちー大岡昇平・中島敦・太宰治・埴谷雄高・松本清張」展が開催されている。人気作家の大集合展だけに多くの人の入場が期待されているそうだ。
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