オスとメスの出会いは万物共通
素数ゼミ
どんな小さな虫であっても、大きな動物であっても子孫を残す行動というのは大変な問題であることが見えてくる。わが国でも、いま少子化問題で騒いでいるが、出会いがなければ事が始まらず、人間も動物も変わらないようだ。
よくニュースになるセミの大量発生現象、同じ場所で同じ時期に発生するのもこの現象と言われる。素数という整数があるが、2・3・5・7・11など1と自分自身以外では割ることの出来ない2以上の整数を言うそうだ。その数字の17年、13年に一度だけ北米大陸で大発生する不思議なセミを「素数ゼミ」と言うそうだが、なんと100メートル四方に40万匹という信じられない密度で大量発生する。これも出会いによって決まる生態なのだそうだ。
セミは長い一生のほとんどを土の中で過ごすが、ほんの最後の何日かで子孫を残すために地上に出てくる。寒冷な厳しい環境の下では地中で過ごす期間も長く、運良く同じ時期に、同じ場所で地上に出てきてパートナーに出会ったセミだけが子孫を残すことが出来るのだ。これまでの地球の歴史上でも、そのほとんどを巨大な氷河で覆われていた氷河期が過ぎて、そこから逃れることの出来た特定の地域の少数のセミだけが生き延びたと言える。
キアゲハの場合は、せり科の植物を餌にして行動範囲も広く、卵を産み付ける場所や幼虫が生まれる場所もまちまちだけにパートナーに出会える確率も大変低い。そのため少しでも高い見晴らしのよい場所で、オスはメスを見つけるために集まってくる。それを見て、メスも移動して集まってくる。お互いが、高い場所、高い場所と追っかけっこするように移動して行く。この現象を「ヒル・トッピング(山頂集中行動)」現象というそうだ。
渡り鳥のカモは、一般にオスの方がメスより派手で色鮮やかな外見をしているが、太平洋のハワイ諸島などに住み着いたカモは、オスもメスも区別が付きにくいくらい地味だそうである。これは立教大学の上田教授に言わせると「オスとメスが普段からお互いをじっくり観察できるため、メスは中身重視でオスを選ぶ」のだそうだ。ゴクラクチョウやキジ、クジャクなどは、オスが派手だがつがいにならず、メスが子育てをする一発勝負型であるためにオスが派手な外見と言われている。
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